技術・研究
解説! 「吸着」の基礎知識
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吸着とは、ある物質を吸い寄せ、貯える現象のことです。
この現象を引き起こす性質を持つ材料を吸着材(吸着剤)と呼びます。吸着材の多くは 細孔 【細孔】
固体中に存在する微細な空孔。目に見えるサイズから原子・分子レベルのサイズまで様々で、その大きさに合った物質を取り込む性質があります。
直径2nm以下をミクロ孔(マイクロ孔)、2~50nmをメソ孔、50nm以上をマクロ孔と呼びます。
※ と呼ばれる無数の小さな穴を有しています。食器洗いスポンジを拡大するとたくさんの穴が存在している様子をイメージして下さい。
吸い寄せたり、貯えたりできる性質(吸着特性)にはいろいろあります
物理吸着
分子の間に働く微弱な引力(ファンデルワールス力)により、物質が吸着材に吸着します。
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電荷(+/-)
プラスに帯電した物質がマイナスに帯電した吸着材にマイナスに帯電した物質がプラスに帯電した吸着材に吸着します。
帯電した物質には、 イオンや極性分子 【極性分子】
分子の一部にプラス(+)の電荷が、他の一部にマイナス(-)の電荷が偏っているもの。
電荷の偏りは、分子中の電子の存在密度の偏りによって生じます。
※ などがあります。 -
イオン交換
吸着材が元々持っているイオンを放出し、外部にある他のイオンを取り込む現象(イオン交換)によりイオン性物質を吸着します。
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酸・塩基
酸性の物質が塩基性の吸着材に、塩基性の物質が酸性の吸着材に吸着します。
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親和性(親水/疎水)
水となじみやすいもの(親水性物質、 親水基 【親水基】
分子の中で水となじみやすい部分。水酸基(-OH)、カルボキシル基(-COOH)、アミノ基(-NH2)など
※ )、水となじみにくいもの(疎水性物質、 疎水基 【疎水基】
分子の中で水となじみにくい部分。アルキル基、フェニル基など
※ )は、それぞれ似た性質のもの同士でまとまりやすいため、 親水性の物質が親水性の吸着材に、疎水性の物質が疎水性の吸着材に吸着します。
- これらの性質を使ってできること(例)
- いらないものを吸着:脱臭・脱色など (環境中の悪臭物質や色素を吸着して取り除く)
- いるものを吸着:精製抽出 (機能性食品成分を選択吸着して回収)
様々な吸着特性を持つ水澤化学の吸着材
当社では、これらの吸着特性を利用した様々な吸着材を取りそろえております。
詳しくは各製品ページをご覧下さい。